蔵王の樹氷の危機(宮城県 蔵王)

日本の冬の景色として世界的に有名な蔵王の樹氷、スノーモンスターともいわれるその樹氷を知っている人は多いですが、そんなスノーモンスターに忍び寄る危機について知っている人はなかなかいないと思います。

樹氷 蔵王
写真提供:宮城県観光プロモーション推進室

ねえ、蔵王の樹氷って最近元気ないって聞いたけど、どうしてだろう?なんか虫のせいって噂だけど、詳しく教えてよ!

はい、お話しいたしますね。実は、蔵王の樹氷が元気を失ってきたのには、いくつかの虫害が関係しています。まず2013年の秋頃、「トウヒツヅリヒメハマキ」という蛾の幼虫による被害が確認されました。この幼虫が木の葉を食べてしまい、樹木の成長を阻害してしまったんです。

へえ、そんな虫がいるんだ!でも、それだけで樹氷が元気なくなっちゃうの?

それだけではありません。2016年6月頃から、「トドマツノキクイムシ」という別の害虫が侵入し始めました。この虫は樹木の内部に入り込んで、幹を食い荒らしながら繁殖します。その結果、樹木が水分や栄養を吸い上げる機能を失い、立ち枯れが目立つようになったのです。

あー、それは深刻だね!でもさ、どうしてそんな虫が増えちゃったの?

いくつかの要因が考えられます。まず、近年の気候変動による温暖化の影響が大きいとされています。気温が上昇すると害虫の活動時期が長くなり、繁殖しやすくなるんです。また、樹木自体が弱っていると、害虫の侵入を防ぐ力が低下します。その結果、被害が広がってしまいました。

なるほどね…。それって樹氷だけの問題じゃなさそうだね。他の森林とかも心配になってくるなぁ。

その通りです。蔵王の樹氷は日本有数の美しい自然景観の一つですが、そこに住む生態系全体にも影響が及ぶ可能性があります。現在、地元や専門家が協力して、被害を最小限に抑えるための対策を進めているところです。

へえ、具体的にはどんな対策をしてるの?

例えば、害虫駆除のための薬剤散布や、立ち枯れた樹木の伐採が行われています。また、地域全体の環境保護や気候変動への対応も重要な課題として取り組まれています。ただ、自然との共生を考えると、すぐに解決できる問題ではないため、長期的な視点が必要です。

そっか、大変なんだね。でも、これ以上悪くならないように応援したいな!

そう言っていただけると嬉しいです。一人ひとりの意識が環境を守る大きな力になりますから、ぜひこれからも蔵王や自然に関心を持ち続けてくださいね。

蔵王には宮城側の宮城蔵王と山形側の山形蔵王があります。それぞれに樹氷が見られるポイントがありますが、その大自然の姿をいつまでも見られるように守り続けていきたいですね。

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