笹かまぼこ(宮城県 食べ物)

笹かまぼこは、明治時代のヒラメの豊漁をきっかけに誕生しました。
保存や活用のためにすり身を焼いた加工品が原型となり、形は伊達家の家紋「竹に雀」に由来します。
現在は仙台を代表する特産品で、手焼き体験ができる施設も人気です。

「写真提供:宮城県観光プロモーション推進室」

ねえ地蔵さん、仙台のお土産といえば笹かまぼこってよく言うけど、そもそもどうしてあんな形なの?笹の葉って、なんか不思議。

それには仙台の歴史と文化が関係しているのですよ。笹かまぼこの「笹」は、伊達政宗公の家紋「竹に雀」に由来しています。笹の葉は仙台を象徴するモチーフで、その形を模して作られたのが現在の笹かまぼこです。

へぇ〜、あの形にはちゃんと意味があったんだね。単にかわいいからとかじゃないんだ。でもさ、そもそもどうしてあんな食べ物が生まれたの?最初から贈答用だったわけじゃないでしょ?

ええ、実は笹かまぼこが生まれた背景には、明治時代のヒラメの豊漁が深く関係しているんですよ。明治35〜36年、宮城県の閖上から金華山沖にかけての海で、ヒラメが異常なほど大量に獲れたことがあったのです。

えっ、ヒラメ?高級魚じゃん!いっぱい獲れて嬉しいことじゃないの?

当時は冷蔵技術も輸送手段も発達していませんでしたから、大量に獲れてもすぐに鮮度が落ちてしまいました。市場でさばききれず、安く叩き売られたり、廃棄されたりしていたのです。そこで、地元の人々は「このまま捨てるのはもったいない」と考え、保存が効く加工食品にしようと試みました。

なるほど……もったいない精神ってやつだね。で、それがかまぼこに?

はい。ヒラメの身をすり潰して、串に刺して焼いたものが最初の「べろかまぼこ」や「手のひらかまぼこ」と呼ばれていたもので、これが笹かまぼこの原型になったのです。形状や名前は後から洗練されていき、昭和初期に「笹かまぼこ」という呼び名が定着しました。

そうだったんだ……ヒラメって淡白な味だし、かまぼこにしたら上品な感じがしそう。でも、ヒラメだけじゃうまくいかなかったとか?

ご明察です。ヒラメの身は上質ですが、粘りが足りず、弾力のあるかまぼこには不向きだったんです。そこで職人たちは試行錯誤を重ね、スケトウダラやグチなどの粘りの強い白身魚を加えて、味付けに鰹節を使ったり、卵白やみりんで調整したりして、現在のようなプリっとした食感を作り上げました。

なんか、その話だけで食べたくなってきちゃった。焼いてあるよね?あの香ばしさがたまらないの。

そうですね。笹かまぼこは一般的な蒸しかまぼこと違い、蒸した後に表面を軽く焼き上げる「焼きかまぼこ」なのです。焼き目がつくことで香ばしさと風味が引き立ち、あの独特な味わいが生まれます。

そういう歴史があるって知ると、ただの練り物とは思えなくなっちゃうね。あの……実際に作ってるところって見られたりするの?

はい、仙台市内には見学ができる施設もありますよ。たとえば鐘崎の「笹かま館」では製造工程の見学や、手焼き体ができます。

楽しそう!しかも自分で焼いて食べられるなんて最高じゃない?あ、車でも行けるかな?駐車場ある?

ございますよ。どちらの施設にも専用駐車場が用意されていて、観光客が利用しやすいようになっています。特に笹かま館は大型バスも駐車できる広さがありますので、団体旅行でも安心です。

それなら気軽に行けるね。ところで、宮城の人たちにとっても笹かまぼこって特別な存在なのかな?

ええ、笹かまぼこは地元の人々にとって、日常でもあり、行事でも重宝される存在です。贈答用や冠婚葬祭には欠かせませんし、学校の給食にも出るほどです。まさに宮城の食文化を代表する一品ですね。

うん……なんかね、単なるお土産じゃなくて、歴史や想いが詰まってるんだなって感じた。今日もたくさん教えてくれてありがとう。

こちらこそ、食べ物を通して、地域の人々の工夫や思いに触れられるのは素晴らしいことですね。

その他にも様々な場所で手焼き体験や工場見学は行われています。

その一例として

1. 阿部蒲鉾店 本店(仙台市青葉区)

  • 体験内容:笹かまぼこの手焼き体験(1枚300円、所要時間約10分)
  • 受付時間:10:00~16:00(予約不要、当日準備分がなくなり次第終了)
  • 駐車場:なし(近隣のコインパーキングを利用)
  • アクセス:JR仙台駅から徒歩約10分

2. 阿部蒲鉾店 松島寺町店(宮城県松島町)

  • 体験内容:笹かまぼこの手焼き体験(1枚300円、所要時間約10分)
  • 受付時間:9:00~17:00頃(予約不要、当日準備分がなくなり次第終了)
  • 駐車場:あり
  • 定休日:無休

3. 松島蒲鉾本舗 多賀城工場(宮城県多賀城市)

  • 体験内容:工場見学(無料)、手焼き体験あり
  • 営業時間:9:30~17:00(予約不要、随時受付)
  • 駐車場:あり(無料)
  • アクセス:JR仙石線「中野栄駅」から徒歩約15分、三陸道「仙台港北IC」から車で約5分

これらの施設では、笹かまぼこの製造工程を見学したり、自分で手焼き体験を楽しむことができます。特に松島蒲鉾本舗 多賀城工場では、無料で工場見学ができ、予約不要で手焼き体験も可能です。阿部蒲鉾店の本店と松島寺町店でも手焼き体験ができ、松島寺町店には駐車場も完備されています。訪問の際は、各施設の最新情報を公式サイトでご確認ください。

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