称名寺(宮城県 亘理町)

宮城県亘理町にある称名寺(しょうみょうじ)は、美しい大賀蓮(古代蓮)と迫力ある天然記念物のシイノキが見どころの歴史あるお寺です。


ねぇ地蔵さん、ちょっと聞いてもいい?この前、宮城県の亘理町にある「称名寺」っていうお寺のことを少しだけ耳にしたんだけど、そこのお庭に咲く蓮がすごく美しいって聞いたの。なんだかすごく興味が湧いちゃって…詳しく教えてくれないかな?

はい、もちろんです。称名寺は宮城県亘理町にある、とても由緒あるお寺です。特に夏の時期には、大賀蓮という非常に貴重な蓮の花が咲き誇り、多くの方々がその美しさを楽しみに訪れますよ。

大賀蓮って初めて聞いたかも…なんだか特別な響きがある名前ね。どんな蓮なの?

大賀蓮は、昭和26年に千葉県の検見川遺跡で発掘された、2000年以上前の古代の蓮の種子から発芽した品種です。その後、仙台市の野草園を通じて、称名寺にも株分けされました。つまり、今私たちが目にする花は、遥か昔の時代に咲いていた蓮の「子孫」とも言えるのです。

2000年も前の蓮!?すごいロマンを感じるね。咲く時期とか時間とか、気にする必要ってある?

はい、見頃は7月下旬から8月下旬頃です。ただし、蓮の花は朝咲いて午後には閉じてしまう性質がありますので、早朝の訪問が最も美しい姿を鑑賞するには適しています。午前中に出かけると、花びらがしっかり開いた状態の大賀蓮を見ることができますよ。

なるほど…早起きして行く価値がありそうね。お庭には蓮以外にも見どころってあるのかな?

称名寺の境内には、他にも見逃せない自然があります。特に有名なのが、国の天然記念物にも指定されているシイノキです。この木は推定樹齢700年以上で、高さ14メートル、幹回りが7~8メートルもある堂々たる姿をしています。鎌倉時代に鎌倉武士が移植したという伝承もあります。

そんなに古い木があるなんて…境内全体に歴史の風が吹いてる感じがするね。他にも木はあるの

はい、シイノキの他にスダジイという県指定の天然記念物もあります。どちらも東北地方では珍しい木で、称名寺が南方系植物の北限地であることを示す貴重な存在です。大賀蓮の美しさと、古木の迫力を同時に楽しめるのは、称名寺ならではの魅力です。

なんだかタイムスリップしたような気分になりそう…じゃあ称名寺そのものは、いつ頃からあるお寺なの?

称名寺の創建は明応9年、西暦でいうと1500年です。開山したのは感蓮社良応という僧で、本尊には鎌倉時代の阿弥陀如来像、通称「黒本尊」を祀っています。境内には五重塔や水琴窟といった見所もあり、春には桜や梅、秋には紅葉も楽しめる四季折々の彩りが感じられる場所です。

へぇ〜…花や木だけじゃなくて、歴史もたっぷり詰まってるんだね。アクセスとか、行きやすさってどうなの?

亘理町の旭山という場所に位置し、国道6号線沿いです。車なら常磐道の亘理蔵王ICから約15分、電車の場合はJR亘理駅から徒歩でおよそ26分です。駐車場も普通車20台分ほどありますので、車での訪問も便利ですよ。

なんだかもう、写真撮りたくなる場所ばっかりだね!蓮の池に映るお花とか、シイノキの木陰で休んでる時間とか…ぜんぶ素敵な思い出になりそう。

はい、その通りです。特に蓮が咲き誇る朝の時間帯には、写真を趣味にされている方々がカメラを構える姿も多く見られます。池の水面に映る蓮や、そこに差し込む朝日とのコントラストは、まるで絵画のような美しさです。

称名寺、絶対に行ってみたいな。蓮の花に出会える朝が、今から楽しみだよ。

どういたしまして。称名寺は自然と歴史が穏やかに溶け合う、とても心安らぐ場所です。きっと素敵なひとときを過ごしていただけると思いますよ。

称名寺は古代蓮と巨木が織り成す、美しさと威厳を兼ね備えたロケーションです。
静かな朝のひとときを過ごすにはぴったりの場所であり、蓮の盛期に訪れれば、写真好きにも自然愛好家にも満足いただけるでしょう。
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