くりでんミュージアム(宮城県 栗原市)

栗電ミュージアムは、くりでんが地域社会を支えた軌跡や文化的価値を体験を通して伝える場としても貴重です。鉄道ファンはもちろん、歴史・地域文化好きにも強くおすすめします!


ねえねえ、地蔵さん。栗原の「くりでんミュージアム」って知ってる?この前ポスターを見かけて気になっちゃって。

「くりでんミュージアム」は、宮城県栗原市若柳にある鉄道博物館でして、かつてこの地を走っていた栗原電鉄、そして後のくりはら田園鉄道の歴史を伝える施設でございます。

へえ~、やっぱり元々は電車が走ってたところなんだ。栗原電鉄っていう名前だったんだね。いつから走ってたの?

最初は「栗原軌道」として、1918年に設立され、1921年に石越~沢辺間で営業を始めました。これは小さな軽便鉄道でしたが、戦時体制の強化に伴って、1941年に正式な地方鉄道へと昇格し、社名も「栗原鉄道」、のちに「栗原電鉄」となりました。電化も進められまして、地域の鉱山輸送や通勤通学、買い物など、地域交通の要として長く親しまれてきたのです。

えっ、じゃあ鉱山もあったの?それってどこ?

はい、沿線の終点には「細倉鉱山」がありました。これはかつて日本でも有数の鉛と亜鉛の鉱山でして、くりでんはその鉱石を運ぶ重要な路線でもありました。戦後も産業輸送が活発で、1960年代までは貨物列車も頻繁に走っていたんですよ。

すごいなぁ…そんなに働いてた電車が、今はもう走ってないんだよね。どうしてなくなっちゃったの?

1990年代に入ると、鉱山は閉鎖され、モータリゼーションも進み、旅客も減ってしまいました。1995年には老朽化により電化を廃止し、ディーゼル車による運行となり、社名も「くりはら田園鉄道」へと変更されました。しかし、それでも経営は厳しく、2007年4月1日、ついに全線が廃止となったのです。

そっか…。でもさ、廃止されてから10年くらい経ってから、ミュージアムができたんだよね?

その通りでございます。旧若柳駅の跡地を利用して、2017年に「くりでんミュージアム」として開館いたしました。保存された車両や、整備に使われていた工具類、さらには運転体験ができるシミュレーター、Nゲージの巨大ジオラマなど、非常に見ごたえのある施設です。

運転体験とかあるんだ!?それはやってみたいかも!他に面白いコーナーってある?

はい、例えばかつての整備工場だった場所では、実際に使用されていたレール削正機やプレス機などの工作機械が展示されており、不定期ではございますが、実演解説も行われております。また、車両のヘッドライトを点灯させる体験ボタンなどもあり、静態保存ながらも“動く展示”として親しめる工夫がございます。

へぇ~、地域の人がすごく大事にしてる感じがするね。

はい。廃線後も地元の有志の方々が「くりでん保存愛好会」などを結成し、車両の保存や資料の収集、ミュージアム建設のための活動を継続しておりました。行政との連携もあり、ついに“くりでんの記憶”を次世代へと伝える場として、このミュージアムが誕生したのです。

なんだか…鉄道って単なる乗り物じゃなくて、町の人の思い出とか、働く人の誇りとか、そういうのが詰まってるんだね。

鉄道は「道」ではありますが、人々の生活や夢、歴史そのものをつなぐ「縁」でもございます。くりでんミュージアムは、そうした地域の記憶を、目に見える形で、訪れる方々と共有する貴重な場所と言えましょう。

うわあ…行ってみたくなっちゃった。今週早速足を運んでみるよ

月に一度程度、栗原田園鉄道を走っていた車両の走行会やレールバイクの乗車体験など、大人だけでなく子供も楽しめるそんな場所です。

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