宮城県産 牡蠣 と 広島県産 牡蠣の違い

宮城県の牡蠣はさっぱり旨みが強く、生食や蒸し焼きにぴったり。
広島県の牡蠣は濃厚クリーミーで、カキフライや鍋料理に最適。
松島名物のスコップ焼きや通販のかんかん焼きで、自宅でも手軽に楽しめる。


ねえ、地蔵さん。この前、宮城県の松島町に行った友だちからお土産で牡蠣をもらったの。食べてみたらすごくおいしくて。そういえば、牡蠣って広島県のものも有名だけど、宮城県のとどう違うのかなって気になったんだ。

なるほど、良いところに気がつきましたね。牡蠣といえば、確かに広島県が全国一の生産量を誇っています。しかし宮城県もまた、全国第二位の産地であり、特に松島町や石巻市、気仙沼市、南三陸町などで広く養殖されています。どちらも歴史が長く、それぞれの土地柄が味わいの違いを生んでいるのですよ。

へえ、そうなんだ。松島町の海辺で牡蠣小屋がたくさんあって、観光客で賑わってたって聞いたの。ああいうのって、やっぱり土地の海の恵みを楽しむ場なんだね。

その通りです。宮城県の三陸沿岸は、親潮と黒潮が交わる栄養豊富な海域で、牡蠣の成長に必要なプランクトンが豊かです。そのため、宮城県産の牡蠣は比較的早く身が大きく育ち、旨味が凝縮されています。特徴としては、塩気をしっかり感じつつ、さっぱりとした後味があること。生でいただいても雑味が少なく、爽やかな旨みが楽しめると言われます。

なるほど、わたしが食べたときも、口の中で海の香りがふわっと広がって、でも重たすぎない感じだった。これが宮城県の牡蠣の持ち味なんだね。じゃあ、広島県の牡蠣はどう違うの?

広島県の牡蠣は、瀬戸内海の穏やかな海で育ちます。波が穏やかで水温も比較的高いため、じっくりと育つのです。そのため、味わいは濃厚でクリーミー。とろけるような食感とコクの深さが魅力です。加熱しても縮みにくく、カキフライやグラタン、土手鍋など調理向きとして広く親しまれています。

ああ、広島のカキフライって有名だよね。牡蠣がぎゅっと詰まっていて、揚げてもふっくらしてるって聞いたことある。宮城県の牡蠣は生食に向いてて、広島県の牡蠣は加熱料理にぴったりっていうイメージなのかな?

おおむねそのように言われますね。もちろんどちらの牡蠣も生食用に処理されれば楽しめますが、風味の違いから、宮城県産は生牡蠣としての評価が高く、広島県産は料理に合わせやすい牡蠣として支持されています。

同じ牡蠣でも、育つ場所や海の環境でそんなに個性が変わるんだね。じゃあ、生産の仕方も違うのかな?

はい。広島県では「筏(いかだ)式養殖」が主流です。海に大きな筏を浮かべ、そこから吊るしたロープに牡蠣を付けて育てます。一方、宮城県でも筏式はありますが、震災以降は海の環境改善に合わせた方法が取り入れられ、より効率的かつ環境にやさしい養殖を進めています。

なるほど、そうやって地域の工夫が重ねられてるんだ。そういえば、旬の時期も違ったりするの?

良い質問です。広島県の牡蠣は例年10月頃から翌年の4月頃までが出荷時期です。特に寒い冬の時期に旨みが増します。宮城県の牡蠣も同様に秋から春にかけてが出荷期ですが、三陸の海は冷たいので、冬が一番身が締まり、味わいが濃くなると言われています。

じゃあ冬に宮城県の牡蠣を食べたら、いちばんおいしいってことなんだね。そう考えると、季節ごとに産地を楽しむのもいいなあ。

まさにその通りです。広島県産の牡蠣は量も豊富で全国に安定して供給され、家庭料理や外食でも広く親しまれています。宮城県産の牡蠣は出荷量こそ広島県ほどではありませんが、三陸ならではの海の恵みを感じられる味わいが魅力です。それぞれが日本の食文化を豊かに支えているのです。

聞けば聞くほど、どっちも食べたくなっちゃうな。クリーミーな広島の牡蠣でカキフライ、生で食べるなら宮城の牡蠣って使い分けたら贅沢だね。

その通りです。料理や気分に合わせて産地を選ぶ楽しみは、牡蠣ならではのものです。どちらも甲乙つけがたく、むしろ食べ比べをして違いを味わうのが一番おすすめです。

ところでさ、「スコップ焼き」?って松島で有名なんだって?名前がちょっとかわいいから気になっちゃって。どんな料理なの?

ああ、それは松島町の観光客に人気の牡蠣料理ですね。鉄板にスコップを使って牡蠣をすくい、殻付きの牡蠣を豪快に蒸し焼きにする料理のことです。松島の海辺にある牡蠣小屋では、このスコップ焼きを目当てに訪れる方も多いのですよ。蒸し焼きにすると、殻が自然に開いて中から熱々の牡蠣が顔を出し、香ばしい磯の香りとともに楽しめます。

わあ、なんだか想像するだけで楽しいね。大きなスコップで殻付きの牡蠣をすくって、みんなでわいわい食べるなんて、松島らしい雰囲気だなあ。

はい。松島町は「松島湾の景観」と「牡蠣」の両方を楽しめる場所として有名です。冬になると牡蠣小屋ではスコップ焼きが名物になり、観光とともに味わう人が絶えません。

でも、さすがに自宅でスコップ焼きはできなさそうだよね。宮城県産の牡蠣を家で食べるなら、どんな方法がいいのかな?

ご家庭では、いくつかおすすめの方法がありますよ。

  • 蒸し牡蠣:フライパンや鍋に少量の水と酒を入れ、殻付き牡蠣を並べて蒸すだけで、簡単に旨みを引き出せます。
  • 焼き牡蠣:オーブントースターやグリルで殻付き牡蠣をそのまま焼けば、松島のスコップ焼きに近い味わいを楽しめます。
  • 牡蠣鍋:三陸の寒い冬に合う料理で、野菜や豆腐と一緒に煮込むと、牡蠣のだしがしみ込み、体も温まります。
  • カキ飯:むき身を炊き込みご飯に入れると、牡蠣の香りがご飯に染み渡り、宮城らしい一品になります。
  • 生牡蠣:もちろん、生食用で処理された牡蠣であれば、そのままレモンやポン酢でいただくのもおすすめです。宮城県産は爽やかな旨みが特徴なので、生で特に力を発揮します。

わあ、いろいろあるんだね!蒸したり焼いたりするだけで、松島のスコップ焼きの雰囲気を少し味わえそうだな。鍋もおいしそうだし、炊き込みご飯も冬のごちそうって感じがする。

松島のスコップ焼きを自宅で気軽に味わうのであれば一番のおススメは、「かんかん焼き」になります。缶の中に殻付き牡蠣をぎっしりと詰め、火にかけて蒸し焼きにするスタイルの料理で。スコップ焼きのようなスタイルの牡蠣の食べ方をご家庭でも体験できるようにと通販商品になっているのです。

なるほど、缶ごと火にかけちゃうんだ。なんだかキャンプ料理みたいで楽しそうだね。

はい。実際にキャンプに楽しまれる方もいらっしゃいます。缶の中に水や酒を少し加え、加熱すると蒸気で殻が自然に開き、蒸し焼きの牡蠣が出来上がります。松島の「スコップ焼き」が観光地の名物であるのに対し、かんかん焼きは手軽に屋外でも室内でも楽しめるスタイルです。

そういうことかあ。これなら家にいながら松島の雰囲気を味わえるんだね。

殻付き牡蠣は火を通すと旨みがぎゅっと閉じ込められますから、蒸し焼きは最も簡単で美味しい食べ方のひとつです。かんかん焼きなら調理器具をほとんど使わずに済むので、後片付けも楽ですよ。

なるほど、スコップ焼きと似てるけど、かんかん焼きはもっと家庭寄りで、気軽にできる感じなんだね。

その通りです。松島町で観光しながら食べるスコップ焼きは体験型の楽しみで、通販のかんかん焼きは自宅で再現する形といえます。どちらも牡蠣の魅力を伝える工夫なのです。

よーし、次は通販でかんかん焼きを取り寄せて、友だちと食べ比べしてみようかな。家でわいわいしながら殻を開けるの、きっと楽しいよね。

ええ。缶を開けるたびに湯気と磯の香りが広がり、まるで松島の海辺にいるかのような気分になるでしょう。


わあ!松島の海辺で牡蠣をスコップで焼いて食べられるなんて、まるで宝探しみたいでワクワクするな。絶対行ってみたい!

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