仙台牛タン と 焼肉の牛タンの違い

仙台牛タン焼きは、戦後に仙台で生まれた厚切りの牛タン料理です。
炭火で焼いた牛タンに麦飯やテールスープを合わせる定食スタイルが定番です。
焼肉の薄切り牛タンとは違い、噛みごたえとジューシーさを楽しめます。


地蔵さん、この前ね、仙台に行った友達から「仙台牛たん焼きはすごく美味しかったよ」って聞いたの。それでふと、焼肉で食べる牛タンとどう違うのか気になっちゃったんだ。地蔵さん、詳しく教えてほしいな。

仙台牛たん焼きについてですね。正式には「仙台牛タン焼き」と呼ばれています。これは宮城県仙台市で生まれた料理で、戦後間もない昭和23年頃に、飲食店「太助」の店主であった佐野啓四郎が考案したものとされています。当時、食糧事情が厳しい中で、あまり利用されていなかった牛の舌、つまり牛タンに着目し、炭火で焼く料理として定着させたのです。

へぇ、戦後の頃からなんだね。仙台で生まれたのは知っていたけれど、誰が始めたのかまでは知らなかったよ。じゃあ、焼肉屋さんで食べる牛タンとは違うんだよね?

はい、大きな違いがございます。焼肉店の牛タンは薄切りが主流で、数ミリ程度にスライスしてレモン汁やタレとともにいただくことが多いです。一方で、仙台牛タン焼きは厚切り、だいたい1センチほどにカットするのが特徴です。厚みがあるため噛みごたえがあり、肉の旨味をしっかり感じられるのです。

なるほど、厚さが違うんだね。確かに焼肉屋さんの牛タンって薄くて軽い感じだから、ご飯と一緒に食べるっていうよりは、他のお肉と一緒に楽しむイメージがあるなぁ。

その通りです。仙台牛タン焼きは「定食」としての形が定着しています。基本は牛タンの炭火焼きに加えて、麦飯、テールスープ、浅漬けや南蛮味噌が添えられるのが一般的です。これは、創始者が戦後の時代に「腹持ちを良くする」という考えから麦飯を添えたことに由来するとされています。

麦飯と一緒に食べるんだ!聞いただけで香ばしい匂いがしてきそう。そういう定食の形で食べるのが仙台らしさなんだね。

はい。また、調理法も特徴的です。仙台牛タン焼きは、牛タンの表面に切れ込みを入れ、塩や胡椒などで味付けをした上で熟成させ、炭火の遠赤外線で短時間に焼き上げます。熟成させることで旨味が引き出され、厚切りでも柔らかく仕上がります。

熟成させているんだね。焼肉屋さんの牛タンはすぐに焼いて食べるから、そこにも違いがあるんだね。

その通りです。焼肉店ではすぐに焼けるように薄切りにするのが主流で、味付けも塩やレモン汁などでさっぱりといただくスタイルが一般的です。一方、仙台牛タン焼きは厚切りで、熟成と炭火焼きによる調理法により、噛み応えとジューシーさが際立つ料理として確立しました。

聞いているだけで食べたくなってきちゃう。仙台に行ったら、絶対に食べたい一品だなぁ。

仙台牛タン焼きが全国的に知られるようになった背景には、昭和50年代からの専門店の増加や、昭和57年の東北新幹線開通があります。観光で訪れる方々が仙台名物として牛タンを味わい、それが口コミやメディアを通じて広がったのです。

なるほど、新幹線の開通もきっかけだったんだね。交通が便利になると、美味しいものも一緒に広まっていくんだなぁ。

はい。現在では仙台市を中心に、牛タン専門店が数多く存在しています。どの店舗も厚切りの牛タンを提供していますが、味付けや熟成方法にそれぞれ工夫を凝らしており、食べ比べを楽しむ方も少なくありません。

焼肉屋さんの牛タンと比べると、仙台牛タン焼きは「食事」としての存在感が強いんだね。

おっしゃる通りです。焼肉の牛タンは「焼肉の一部」として楽しむ位置付けであるのに対し、仙台牛タン焼きは「定食文化」とともに発展し、仙台を代表する名物料理として確立しました。

すごくわかりやすかったよ。ありがとう、地蔵さん。仙台に行ったら、絶対に本場で食べてみたいな。麦飯とテールスープと一緒に、厚切りの牛タンをじっくり味わってみたい。

ぜひ仙台を訪れた際には、仙台牛タン焼きの本場の味を体験してください。その歴史や背景を知った上でいただくと、より深い味わいを感じられると思います。
|
|
|

本場の仙台で、炭火で焼いた厚切りの牛タンを麦飯と一緒にかきこみたい!
前の旅は↓ココだよ