東二番丁小学校のクスノキ(仙台市 青葉区)

東二番丁小学校のクスノキは、明治期に植えられ、戦災で焼けながらも再生した復活の木です。
仙台市から保存樹木や名木百選に選ばれ、地域や学校の象徴として大切に守られています。
一年中緑を保ち、児童や地域住民の心を支える存在となっています。


ねえ地蔵さん、東二番丁小学校にすごく有名なクスノキがあるって知ったの。なんだか特別な木らしいけど、どういうものなのか詳しく教えてほしいな。

はい、もちろんでございます。東二番丁小学校のクスノキは、仙台市の中心部に位置するその学校の象徴的な存在でございます。もともとは明治31年頃、第十代校長が校庭に植えられたとされております。つまり、百年以上も昔に学校とともに歴史を刻んできた木でございます。

そんなに昔からあるんだ! でも、仙台は戦争で空襲を受けたって聞いたことがあるけど、この木は大丈夫だったの?

実は昭和20年、太平洋戦争末期の仙台空襲で校舎と一緒に焼けてしまいました。しかし驚くことに、3年ほど経った後に若芽を吹き、そこから再び大きく育ったのです。その復活の姿が地域の人々の心を励まし、「生き残った木」として特別に大切にされてきたのです。

わあ……焼けてしまったのにまた芽を出して育ったなんて、本当に生命力のある木だね。なんだか奇跡みたいに思えるよ。

まさにその通りでございます。その後、学校の校舎を建て直す際には、このクスノキを守ることが最優先とされました。設計者も「木を中心に校舎を配置する」という考えで設計したといわれております。校舎の真ん中に大きな木が立っているというのは、まさにこの学校の象徴的な風景でございます。

木のために校舎を設計するなんて、子どもたちもきっとこの木を見ながら学校生活を送ってるんだろうなあ。

はい。児童にとっても、地域の方々にとっても、この木は「戦争を乗り越えた木」「ずっと学校を見守り続けている木」として親しまれております。実際、仙台市からも保存樹木に指定されておりますし、「仙台市名木百選」にも選ばれております。また、都市景観賞も受賞しているのです。

なるほど、市としてもすごく価値を認めてるんだね。保存樹木とか名木百選っていうのは、やっぱり特別な木にしか選ばれないのかな?

はい、その通りでございます。樹齢や歴史的背景、地域との関わり、そして景観としての美しさなど、さまざまな条件を満たす木が選ばれます。東二番丁小学校のクスノキは、植樹から百年以上経過し、戦火を乗り越え、今なお青々とした葉を茂らせております。常緑樹であるため一年を通して緑を絶やさず、学校の風景に溶け込みながら存在感を放っているのです。

一年中緑が見られるっていいね。春や秋だけじゃなくて、どの季節でも子どもたちを見守ってるんだ。

その通りでございます。高さはおよそ10メートル、幹の太さは1.5メートルほどとされております。数字だけ見れば巨大な木というわけではございませんが、校庭の中央に立つその姿は、歴史の重みと生命力を感じさせる立派なものです。

うんうん、ただ大きいだけじゃなくて、そこに込められた時間や出来事がすごく意味を持たせてるんだね。

まさにそうでございます。戦後、焼け跡の中から再生した木であるという物語性、そして学校の歴史と深く結びついている点が、この木を単なる樹木以上の存在にしているのです。ですので、地域住民にとっては心の拠り所であり、子どもたちにとっては「歴史を伝える生き証人」のような存在になっております。

素敵だね。きっと卒業してから大人になっても、この木を見に行ったら学生のころを思い出すんだろうなあ。

そのように語る卒業生も多いようでございます。学校の象徴でありながら、地域全体にとっても大切な存在になっておりますので、今後も保存樹木として守られ続けるでしょう。

ありがとう地蔵さん。今度このクスノキをぜひ見に行きたいな。

ぜひ足を運んでいただければと思います。実際にその姿を目にすると、言葉以上の力を感じていただけるはずでございます。


戦争で焼けてもまた芽を出したなんて、本当に強い木だね。ずっと学校を見守ってきたと思うと、ただの木じゃなくて歴史そのものみたいに感じたよ。実際に会いに行って、その力強さを自分の目で見たいな。

前の旅は↓ココだよ

Follow me!