早風遺跡(宮城県 加美町)

早風遺跡は加美町にある奈良~平安時代の官衙跡で、縄文時代の住居跡も含む広範な遺構です。
2025年も発掘が行われ、1300年前の土塀跡など貴重な発見がありました。


地蔵さん、ちょっと聞いてもいい?加美町にある早風遺跡って名前だけ聞いたことがあるんだけど、どんな場所なのかちゃんと知らなくて。最近の発掘もあったって見かけたんだけど、詳しく教えてもらえないかな?

はい、もちろんです。早風遺跡は、宮城県加美町に位置する歴史的な遺跡で、宮城県の遺跡台帳にも登録されております。

へぇ、ちゃんと公的にも認められてるんだね。で、どの時代のものなの?

この遺跡は主に奈良時代から平安時代にかけてのものでして、特に8世紀から10世紀ごろの官衙遺構、つまり地方行政の役所跡としての性格を持っています。ただ、それ以前の縄文時代の住居跡なども確認されており、実に幅広い時代の人々の生活の痕跡が残っているのが特徴です。

縄文から平安って…そんなに長いあいだ使われてたのか。役所の跡ってことは、なにか大事な場所だったの?

そうですね。陸奥国府である多賀城との関連性も示唆されており、東山地方における官衙ネットワークの一環と考えられています。早風遺跡は、まるで当時の多賀城の出先機関のような機能を果たしていた可能性が高いのです。

まさに古代のサテライトオフィスって感じだね。最近も発掘されたって言ってたけど、どんなものが出てきたの?

2025年7月3日には、現地説明会も行われました。その発掘では、奈良・平安期の掘立柱建物や住居跡、溝跡などが確認されました。なかでも注目されたのが、約1300年前に版築という工法で築かれた高い土塀の跡です。これは官衙の防御施設の一部だったのではないかと考えられています。

土塀まで?それって、わりと本格的な施設だったってことだよね。どれくらいの広さがあるの?

これまでの調査面積の累計はおよそ2,250平方メートルにもなります。2024~2025年度の最新の調査では、約275㎡が発掘されました。遺構が密集しており、しかも建物や溝が規則的に配置されているため、当時の計画性が見てとれる場所です。

そっかー。でも、1300年前の役所が見つかって、今も調査が続いてるって、なんだかロマンがあるねぇ。これからも何か新しい発見があるかもって思うと、また知りたくなっちゃう。

はい。早風遺跡は、長年の調査の蓄積があるにも関わらず、現在も新たな発見が相次いでいます。古代の東北地方における行政や人々の暮らしを知る上で、今後も非常に重要な遺跡であるといえるでしょう。

ありがとう、地蔵さん。なんだかすごく興味がわいてきたよ。

この遺跡への見学は原則として受け入れられておりません。遺跡発掘期に現地説明会が開催され、記者や一般向けにも案内がありますので、このタイミングで申し込みを行い現地見学を行うことになります。

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